私たち加悦ファーマーズライスがお届けしている商品は、主に「寿司」です。それなのになぜ「お米」にフォーカスしたお話をさせていただくのか。その背景には、日本人にとっての「おいしい」に対する思いがあるからです。
「100%与謝野町のお米を使っています。3時間くれたら、誰が作った米か言います」…数年前、全く無名だった私どもは、なんとか商品の良さを知っていただこうと必死になり、こんなフレーズをお客様にお伝えしていました。 私たちは商品の良さを分かっていただく活動をする中で、お客様からある一抹の不安のようなものを感じていました。それは日本人の主食、米というものに対する不安です。1993年の深刻な米不足、産地偽装問題などを経て、「どこの米なのか」「信用できる米なのか」といった不信感が強まっていったのではないでしょうか。 そんなお客様の不安を払拭し、品質の高い米であることをご理解いただくことは、私たちにとって重要な課題でした。
食のトレーサビリティが求められるようになったのは、当然、安心安全という目的が第一だと思います。私たちも品質管理部門において厳しくチェックを繰り返すところです。しかし本来食の「価値」という意味では、安心安全だけが価値なのでしょうか。 1993年の米不足の際には他国の米が大量に輸入され、その結果皮肉なことに、逆に日本の米のおいしさを体感することにもなりました*1。どこの米なのか、信用できる米なのか。その不安の背景にある日本人の思いは、「おいしい」と感じるお米を食べたい、というシンプルな結論だと思うのです。
「旨み」等、日本人がおいしいと感じやすい味も存在し、私たちもその味覚に合うことを追求し続けています。しかし「おいしい」とは、単に味が良いことを超えた意味を持っていると思います。 大切な誰かと一緒に食べること。親しい方からいただいた品であること。旅先で出会った味であること。食と出会う環境によっても、「おいしい」は繊細に変化します。そして仮に、「おいしい」の場に最もふさわしい食を考えるなら、それは日本の文化そのものである「お米」ではないかと思うのです。 世界中の食が集まる現代においても、お米はいつも日本人の真ん中にあります。そしてその真ん中に求めるのは、「おいしい」ということ。私たち加悦ファーマーズライスは、商品の形状が変化したとしても、「おいしいお米を、おいしいままに届ける」ということを大切にし続けて参ります。
私たちの商品に使用している米は、100%地元与謝野町産米を使用しています。日本穀物検定協会の食味ランキング最高の「特Aランク連続取得実績」のある「丹後コシヒカリ」をはじめ、「寿司」という食品に最適な食味・食感となるよう弊社独自の技術で複数の与謝野町産米をブレンドしています。
お米、とりわけ白米に精米されたものは、味がだんだん劣化します。弊社では、秋に与謝野町の農家より新米を納めていただき、劣化を抑えるために保冷庫にて年中温度を管理し、玄米保存しています。そして、日々つきたてのお米で炊飯しています。
弊社の商品は、すぐそばにある国定公園「大江山連峰」から湧き出た表流水を浄水場で浄化した、おいしい水を使用してつくられています。山々のミネラルを多く含んだ水であると同時に、水源まで200mと近く、山から浄水場に水がわたる間に生活排水が混ざることもありません。
弊社の商品は高速道路や空港の売店等で販売していただいている商品です。このため、お客様のお口元に届く時には食味・食感が確実に変化します。弊社は販売店での冷蔵状態、保管状態などを考え、「お客様が食べる瞬間においしいこと」にこだわった商品づくりを行っています。
私たちがお届けする寿司等の商品は、常に日本のスタンダードと呼べる王道の味を追求しています。多くの日本人の味覚で共通して「おいしい」と感じるバランス。それでいて、素材の味を大切にした本物の味をお届けしています。